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アメリカ出国時に別室での追加審査を求められました。——最近急増しているご相談とその背景

  • 執筆者の写真: 行政書士佐藤智代法務事務所
    行政書士佐藤智代法務事務所
  • 11月22日
  • 読了時間: 3分


最近、お客様から同じご相談が立て続けに寄せられています。


「アメリカ出国時に別室審査に呼ばれました」

出国時にESTA/ビザを剥奪されました」


ハワイ、ロサンゼルスなど主要空港の出国ゲートで突然呼び止められ、そのまま別室へ案内されるケースが非常に増えています。

そして、これらのご相談には共通点があります。


■ 相談者は全員女性。問われるのは「不法就労(売春等)」


現在ご相談いただいている方は、例外なく全員女性です。

別室では、風俗店で働いてないか?キャバクラ勤務や出稼ぎ目的で渡航していないか?売春宿とかかわりがないか?などの質問と共に、第三者が撮影した可能性のある写真を提示され執拗に尋問を受けます。そしてこれは、ESTA・Bビザ・F1学生ビザなど滞在ステータスには一切関係ありません。

ステータスにかかわらず、疑いがあれば別室送りとなり、誤解を解くのは容易ではありません。


■ なぜ今、出国時の別室送りが増えているのか?

背景には、近年アメリカ国内で問題となっているアジア系女性による売春組織・売春関連の不法就労の急増が挙げられます。その影響は、入国時だけでなく出国時のチェックの強化、ESTA・ビザの種類は関係なく疑いの基準の厳格化につながっています。


入国拒否に関する相談件数が以前より落ち着いてきたと感じていましたが、ここ数か月の間に突然、“出国時の別室送り”のご相談が急増しています。


■ 出国時の別室審査で実際に起きていること

出国時の別室審査は、内容の厳しさという点で「入国時の別室審査」とほぼ変わりません。

スマートフォンの中身の確認(写真・SNS・メッセージ)

長時間の尋問(数時間から丸一日)

衣類の脱衣確認(ケースによる)

滞在費の出所・職業・日本での生活実態の詳細な聴取


ご相談される女性の中には、不法就労の事実は一切なく、完全な無実にもかかわらず、

外見・年齢層・渡航パターンなどの「プロファイル」に合致してしまったことで、執拗な尋問を受けた方もいらっしゃいました。ご本人にまったく問題がなくても疑われてしまう、という点がこの問題の最も厄介な部分です。


■ 12月26日からの「顔写真撮影強化」で、今後さらに増加する可能性

すでに報道されているとおり、2025年12月26日以降、アメリカ出入国時の顔写真撮影の運用が本格化します。入国審査だけでなく、出国審査でも顔認証が自動的に照合される仕組みが拡大します。


こうした運用が本格化すると、過去に“疑いあり”と分類された人や、プロファイルに一致しやすい女性、過去に別室審査を受けたことがある人は、より頻繁に自動的にフラグが立つ可能性があると考えています。つまり、「入国できたから安心」ではない時代に入ったということです。

今後は、ビザの種類よりも「滞在実態が一貫して説明できるかどうか」が重視されると考えます。


アメリカ渡航を予定されている方は、不法就労には絶対に関与しないことはもちろんですが、入国後も“書類上のビザステータス” だけで判断せず、普段から誤解を生まない渡航・滞在の仕方・情報管理を意識することがより重要になります。


今後も、渡航者側が注意しておきたい点や、制度変更の情報などがあれば随時共有していきます。

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