移民国籍法INA212(a)(2)(A)(i)(I)に基づき入国不適格とする外国人の不道徳犯罪の代表的なものとして、
1.詐欺
2.窃盗
3.人や物に危害を与える犯罪
とされています。3に関しては具体的に虚偽、不正などのほか、放火、恐喝、強盗、偽装、偽造、横領、破壊行為、悪意のある盗品の受領、クレジットカード詐欺、盗品の所持、脱税などが含まれます。そのほか、強盗目的の暴行、配偶者への虐待、住居侵入のうえの窃盗や器物損壊、誘拐、逮捕監禁、悪質な危険運転、重大な傷害、非合法な武器の所持などです。これら犯罪の要素を含む犯罪を犯したまたは企てた外国人は、移民国籍法では入国不適格とされています。
そのほか、売春や売春にかかわった犯罪も不道徳犯罪とされ、10年間の入国禁止期間が設定されています。
移民国籍法INA212(a)(2)(A)(i)(Ⅱ)に基づき入国不適格とする犯罪は薬物・麻薬に関する犯罪です。
覚せい剤や合成麻薬などの薬物・麻薬の単純所持、使用から密売などなどこの種の犯罪に関して米国は非常に厳しい措置をとっています。
単純所持や使用の罪により、下された量刑が執行猶予付き懲役1年程度であったとしても生涯入国できないと判断される場合もあります。
また、上記の犯罪に該当していなくても軽微な犯罪を繰り返し行っている場合や不起訴処分の場合でも犯罪の内容が不道徳犯罪であったり、性犯罪、児童に対する犯罪などの場合も領事はビザ発給に係る審査を慎重に行うでしょう。
上記犯罪により5年以上の量刑を下されている場合は、残念ながら米国渡航を諦めざるをえませんが、それ以外の場合で犯罪から一定の期間を経過している場合や、罪名が上記の一つに該当するものの内容は不道徳犯罪に該当しないと説明できる場合などは入国不適格を免除してもらう免除申請のうえビザ申請を行う必要があり、犯罪の内容が不道徳犯罪にはあたらないこと、申請者が更生していて再犯の恐れがないこと、米国や米国民に危害を及ぼさないことなどを証明する必要があります。また、そのほかのビザ申請と同様に日本とのつながりや渡航目的なども明確に説明することも必要です。
犯罪歴がある方が米国に入国を許可してもらうためのビザ申請は、通常のビザ申請書類とは大きく異なります。
過去に逮捕歴・犯罪歴がある方はビザ申請に関して専門家にご相談されることをお勧めします。