オーストラリアビザや市民権の申請をする際に、必ず求められるのが「人格要件 ( Character test )」です。人格要件については、オーストラリア移民法( Migration Act 1958 )の501条に記載されており、その中で、オーストラリアに訪問ないし居住するに適切な人物 ( Good character )であるかどうかを判断する基準として設けられているのが「Character test」です。
Character testの概要は以下の通り。
① 重大な犯罪歴がある※後述
② 入管管理拘留から逃亡で有罪判決を受けた
③ 犯罪組織との関係を疑う合理的理由がある
④密輸、人身売買、大量虐殺、戦争犯罪、拷問や奴隷など人道に反する罪や国際的に重大な懸念を及ぼす犯罪との関係を疑う合理的な理由がある
⑤ オーストラリア社会に危険を及ぼす恐れがある
⑥子供に対する性犯罪で有罪判決を受けた、起訴された
⑦家庭内暴力で有罪判決を受けた
⑧国際警察からオーストラリアへのリスクを通知された人物である
また、上記①の「重大な犯罪歴」は501条7項の中で以下の通り定義されています。
・死刑はまた終身刑判決を宣告された
・1つ、または複数の罪名で言い渡された懲役期間の合計が12カ月以上
・精神の不健全を理由として無罪となり、施設・機関に拘留されている
・裁判所により弁護するにふさわしくない犯罪と判断されたが、罪を犯したと認定され、施設・機関に収容されている
上記で挙げた項目に1つでも該当する場合、オーストラリアビザや市民権の取得はかなり難しいでしょう。一方で、それ以外の犯歴であった場合は、オーストラリアにとってGood Characterであることを示す余地はあるということです。その際は、
・犯罪の軽重
・罪を犯したときからの経年
・更生したかどうか
をもって総合的に判断されると言われています。
したがって、上記に該当しない犯罪歴がありながらビザ・市民権の申請をする場合は、これらを示すような資料を添えて行うことになります。
例えば、
・申請者の犯歴を知っている同僚や友人からのレター
・職務経歴書
・更生プロブラム完了証
・精神科医やソーシャルワーカーからの意見書
・人助け、人生を改善・罪に手を染めない努力をしてきたこと示す証拠
等です。
過去に諸事情を抱えながらもオーストラリアへの渡航・滞在を検討されている方は、お気軽に弊所までご相談ください。