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オーストラリアの就労ビザまとめ

  • 中川 洋志
  • 6月28日
  • 読了時間: 6分

本日の記事では、オーストラリアの就労関連ビザを解説します。


ビザのカテゴリ別解説


オーストラリアのビザは、大きく以下のカテゴリに分類できます。ご


  1. スポンサービザ: 企業からの推薦(スポンサーシップ)を得て申請するビザ

  2. 技術独立ビザ: 個人のスキルや経歴(ポイント)に基づいて申請するビザ

  3. 地方移住ビザ: 政府指定の地方地域での就労・居住を目的とするビザ

  4. 短期・特定活動ビザ: ワーキングホリデーや研修など、特定の活動のためのビザ

  5. 特別な才能を持つ方向けのビザ: 国際的に認められた卓越した才能を持つ人のためのビザ


1. スポンサービザ

オーストラリア国内の企業からのサポートを受けて就労するためのビザです。


☆Subclass 482 (Temporary Skill Shortage)

オーストラリアの労働力不足を補うため、豪州企業が国内で確保できない人材を一時的に雇用するための、最も代表的な就労ビザです。


  • 概要: スポンサー企業のもとで、指定された職種で就労するための時限ビザ。

  • 滞在可能期間: 最長2年または4年(職種による)。

  • 永住権への道: 4年ビザの場合、同企業で3年間勤務するなどの条件を満たせば、後述のSubclass 186への道が開かれます。

  • 主な申請条件: スポンサーからの推薦、関連職務経験2年以上、指定の英語力。


☆Subclass 186 (Employer Nomination Scheme)

企業からの指名に基づき、永住権を直接申請できるビザです。

  • 概要: スキルを持つ労働者が、スポンサー企業を通じて永住権を取得するためのビザ。

  • 滞在可能期間: 永住。

  • 特徴: TSSビザから切り替えるTRTストリームと、高いスキルを持つ人が直接申請するDirect Entryストリームがあります。

  • 主な申請条件: 45歳未満、スキル査定合格、規定の英語力。


2. 技術系ビザ

スポンサーを必要とせず、自身のスキルをポイントに換算して申請するビザです。


☆Subclass 189 (Skilled Independent)

スポンサーも州政府の指名も不要な、完全に独立した永住ビザ。取得すればオーストラリア国内どこでも居住・就労が可能です。

  • 概要: ポイントテストのみで審査される永住ビザ。

  • 滞在可能期間: 永住。

  • 特徴: 招待制のため、EOI(意思表明)提出後、高ポイントの申請者から優先的に招待状が届きます。

  • 主な申請条件: 45歳未満、スキル査定合格、ポイントテストで規定スコア(65点以上)を達成、高い英語力。


☆Subclass 190 (Skilled Nominated)

オーストラリアの各州・準州政府が必要とするスキルを持つ人材向けの永住ビザです。

  • 概要: 州・準州政府からの指名を受けることで申請できるポイント制の永住ビザ。

  • 滞在可能期間: 永住。

  • 特徴: 州からの指名によりポイントが5点加算されます。ビザ取得後、指名を受けた州に2年間居住する義務があります。

  • 主な申請条件: Subclass 189の条件に加え、州政府からの指名を得ること。


3. 地方移住ビザ

オーストラリア政府が人口分散を促すために設定した「地方指定地域(Regional Area)」での就労・居住を希望する方向けのビザです。


☆Subclass 494 (Skilled Employer Sponsored Regional)

地方地域の企業がスポンサーとなり、人材を雇用するための時限ビザです。

  • 概要: 地方の雇用主のもとで働くための時限ビザ。

  • 滞在可能期間: 5年間。

  • 永住権への道: このビザで3年間地方に居住・就労するなどの条件を満たすと、後述のSubclass 191(永住ビザ)への申請資格が得られます。

  • 主な申請条件: 地方の雇用主からの推薦、45歳未満、スキル査定合格、規定の英語力。


☆Subclass 491 (Skilled Work Regional)

地方地域での居住を希望し、州政府からの指名または適格な親族からのスポンサーシップを得て申請する時限ビザです。

  • 概要: 地方への移住を希望するスキルを持つ人材向けのポイント制時限ビザ。

  • 滞在可能期間: 5年間。

  • 永住権への道: Subclass 494と同様に、条件を満たすことでSubclass 191(永住ビザ)へ繋がります。

  • 特徴: 州指名または親族スポンサーによりポイントが15点加算されるため、永住への有力な選択肢です。

  • 主な申請条件: 45歳未満、スキル査定合格、ポイントテストで規定スコアを達成。


☆Subclass 191 (Permanent Residence (Skilled Regional))

Subclass 494または491ビザで一定期間、地方地域に居住・就労した人が申請できる永住ビザです。

  • 概要: 地方移住ビザ(494, 491)保持者のための永住権切り替えビザ。

  • 滞在可能期間: 永住。

  • 主な申請条件: 対象ビザ(494または491)を3年以上保持し、規定の最低課税所得額をクリアすること。


4. 短期・特定活動ビザ

就労が主目的でない場合や、極めて短期間の専門業務、研修などを対象としたビザです。


☆Subclass 400 (Temporary Work - Short Stay Specialist)

短期間のみ必要とされる、専門性の高い特定の業務を行うためのビザです。

  • 概要: オーストラリア企業で、短期間の専門的な業務やプロジェクトに従事するためのビザ。

  • 滞在可能期間: 通常3ヶ月以内(最大6ヶ月)。

  • 特徴: 緊急の機械修理やコンサルティングなど、オーストラリアの労働市場に影響を与えない短期的な仕事が対象です。


☆Subclass 407 (Training Visa)

オーストラリアで職場研修や専門能力開発トレーニングを受けるためのビザです。

  • 概要: 専門性の向上を目的とした研修プログラムに参加するためのビザ。

  • 滞在可能期間: 最長2年。

  • 特徴: フルタイムでの就労はできず、あくまで研修が目的です。


☆Subclass 408 (Temporary Activity Visa)

スポーツ、エンターテイメント、研究、宗教活動など、特定のイベントや活動に参加するためのビザです。招待された活動に対して報酬を得ることも可能です。

  • 概要: 政府公認のイベントや活動に、招待されて参加するためのビザ。

  • 滞在可能期間: 活動内容により、最長4年まで。


☆Subclass 417 (Working Holiday)

18歳から30歳の若者が、休暇を楽しみながら滞在費用を補うために就労することを許可するビザです。

  • 概要: 日本など協定国の若者が対象の、観光・就労ビザ。

  • 滞在可能期間: 1年(条件を満たせば最大3年まで延長可能)。

  • 特徴: 同一雇用主のもとでの就労は6ヶ月までという制限があります。


☆Subclass 485 (Temporary Graduate)

オーストラリアの教育機関を卒業した留学生が、国内で実務経験を積むためのビザです。

  • 概要: 豪州の卒業生が、学んだ分野に関連する職務経験を得るための時限ビザ。

  • 滞在可能期間: 学位により1.5年〜数年間。

  • 特徴: 本格的な就労ビザや永住権を目指す上での重要なステップとなります。


5. 特別な才能を持つ方向けのビザ


☆Subclass 858 (Global Talent Visa)

特定の分野で国際的に顕著な業績を上げ、その分野の第一人者として認められている人のための永住ビザです。

  • 概要: 国際的に認められた才能を持つ個人を対象とした永住ビザ。

  • 特徴: 専門分野の組織や個人からの推薦が必要。対象は主に指定された未来志向の10セクター(AgTech, FinTech, MedTechなど)。


まとめ

オーストラリアの就労ビザは、スキル、目的、キャリアプランなどに応じて多種多様な選択肢を提供していますが、その反面、「どのビザを申請したらよいのか」がわかりにくい構成となっています。ご自身の状況を客観的に評価し、どのビザが最適かを見極めること重要です。

オーストラリアの就労ビザサポートについては、行政書士佐藤智代法務事務所でも承っておりますので、お気軽にご相談ください。


【重要】 ビザに関する規定や条件は、オーストラリア政府の政策により予告なく変更されることがあります。申請を検討される際は、必ずオーストラリア内務省(Department of Home Affairs)の公式サイトで最新情報を確認するか、専門家である移民エージェントに相談することをお勧めします。

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